株主および投資家の皆様へ 2016年度第2四半期連結累計期間の業績および通期業績見通しにつきまして、ご説明申し上げます。
当第2四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済においては、米国では内需主導のゆるやかな景気拡大が続きましたが、中国は景気減速の局面にあり、また欧州では英国のEU離脱問題の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。一方、国内では、堅調な個人消費に支えられて、景気はゆるやかに回復しました。
このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しております。当第2四半期連結累計期間においても、平成30年3月期までの4年間の中期計画で掲げた「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って、事業活動を進めました。
なお、「資産効率の改善」として、ブラジルにおける繊維事業の休止を決定しました。また、在外子会社の統廃合に伴い為替換算調整勘定の取崩が生じました。休止に伴う費用および為替換算調整勘定取崩損は、当第2四半期連結会計期間において特別損失として計上しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比150億円(8.4%)減の1,647億円となり、営業利益は同2億円(1.5%)増の107億円、経常利益は同9億円(9.4%)減の87億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同17億円(31.7%)減の37億円となりました。
2016年度の事業環境につきましては、国内では、景気は緩やかな回復をたどり、原燃料価格も安定して推移すると想定されますが、海外では、英国のEU離脱問題や中国の景気減速などを背景に、引き続き不透明感の強い状況が続くものと予想されます。
当社グループでは、こうした事業環境を踏まえて、環境変化に強い収益体質づくりに努めます。また、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、収益性が高く成長力のある事業に経営資源を集中し、国内外での積極的な拡大を進めるとともに、資産効率を高め財務体質を強化するなど、ポートフォリオ改革を推進し、収益のさらなる向上を図ります。
当第2四半期連結会計期間においては、生活・産業資材事業の一部製品を取り巻く市場環境が悪化したこと、また、アクリル繊維事業において中国アンチダンピング政策の影響を受けたこと、さらにはブラジルにおける繊維事業の休止を決定したことなどから、当第2四半期連結累計期間の業績は、前回公表した連結業績予想を下回ることとなりました。第3四半期以降は、フィルム新製品の拡販などを見込んでおりますが、当第2半期連結会計期間の業績影響を吸収するまでには至らず、通期の業績は、前回公表した連結業績予想を下回る見込みとなりました。
以上により、2016年度の連結業績は、売上高3,400億円(前年度比-78億円)、営業利益230億円(同-1億円)、経常利益200億円(同-4億円)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(同-1億円)を予想しています。
株主への利益還元は、企業にとって最重要事項の一つと認識しています。安定的な配当の継続を基本としつつ、利益水準、将来投資のための内部留保、財務体質の改善などを総合的に勘案のうえ、総還元性向(※)30%を目安として、自己株式の取得を含めた株主還元を行なってまいります。当期の期末配当金につきましては、現時点では1株当たり3円50銭とする予定ですが、上記の方針を踏まえ、今後検討を行なってまいります。
(※)総還元性向=(配当金支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益
株主および投資家の皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。