ステークホルダーの皆さまへ 社長の加留部でございます。平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2012年3月期を振り返りますと東日本大震災、タイでの大洪水といった自然災害の発生に加え、世界経済を巡る環境においては、ギリシャ発の欧州金融危機、米国経済停滞や、中国をはじめとする新興国経済の減速傾向、インフレ懸念の高まりなど、実に多難な1年でありました。 災害によるサプライチェーンの寸断と、生産活動の停滞等で、製品の輸出入や販売に影響が生じたものの、当社グループ一丸となって、いち早い回復を実現することが出来ました。一方で、将来を見据えた積極的な事業投資を行うとともに、過去に実行した投資案件からの確実な収穫を進めてまいりました。 この結果、売上高は5兆9,167億円、経常利益は1,151億円、当期純利益は662億円となり、2期連続の増収増益を達成することが出来ました。
各産業の主要生産拠点であった東日本およびタイで発生した自然災害は、関連する企業活動に打撃を与え、被災地域を越えて、全世界的な経済に影響を及ぼすことが露呈いたしました。 また急速な円高の進行は、日本のビジネス・産業の構造をドラスティックに変えていくことは必至で既に低コストで市場規模のある海外への移転が進むといった動きも出てきております。
この様な激しい経営環境の変化の中、皆様に喜んで頂けるサービスを提供し、且つ企業価値を高めていくためには、過去の延長に将来を描くのではなく、新たな価値の創造を目指した取り組みを進めることが重要と考え、当社は昨年GLOBAL 2020 VISIONを策定しました。 これまでに、自動車分野と自動車以外の分野でそれぞれ培ってきた事業基盤、取扱商品の相互活用や、ノウハウ、スキルの統合などを通じて、多くのシナジー効果を生んで参りましたが、今後はこれらをグローバルに活用することにより、既存事業での横展(機能の横展開)、深化(機能の強化)、幅だし(機能の他業種への転用)を進めると共に、新規事業の開拓も進めることで、企業価値を高めてまいります。
また、攻めるべき事業領域においては、国内外のお客さま、お取引先さま、優良事業パートナーとの連携を深め、めまぐるしく変化する事業環境に柔軟に対応できる組織とネットワーク作りを進めると共に、健全な財務体質を維持しつつ、積極的な投資を継続してまいります。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。
敬具